モッツァレラチーズ発祥の地はイタリア南西部のカンパニア州。
淡泊でクセもなく、独特の弾力が魅力で、日本でもよく食べられているチーズですね。
モッツアレラチーズは本来水牛の生乳から作られますが、水牛は乳の生産量も少なく、飼育されている頭数も少ない状況にあります。
現在では、牛の乳で代用されることも多く、本来の水牛から作られたものを「モッツァレッラ・ディ・ブーファラ」、牛から作られたものを「モッツァレッラ・ディ・ヴァッカ」・「フィオル・ディ・ラッテ」と呼んでいます。
モッツァレラチーズには、2種類あるということですね。
水牛の乳から作られるモッツァレラは、クリーミーで少し酸味があるのが特徴です。
希少価値が高いので、日本だけでなく本場イタリアでも高価なものとなっています。
加熱するのではなく、ワインと合わせてサラダなどフレッシュな状態で召し上がることをオススメしますよ。
トマトとバジルを合わせていただくカプレーゼは、カンパニア地方では前菜の定番です。
モッツァレラチーズは鮮度が命
多くのチーズは熟成させることで、そのうま味をどんどん引き出していきます。
一方モッツァレラなどフレッシュチーズは、全く熟成させないか、ほとんど熟成させないままの状態で食用にします。
フレッシュチーズは水分が多いため、腐りやすく劣化しやすいんですね。賞味期限が短いのも、このためです。
モッツァレラチーズは、水に浸かった状態で売られていますよね?
これはチーズの鮮度を保ち、劣化を防ぐためなんですね。
モッツァレラチーズはタンパク質凝固物質を入れた後、熱湯につけて作られます。水分の多さが、あの独特の食感を作り出しています。
時間が経つごとに味が落ちていくチーズなので、なるべく早めにお召し上がりいただくことがベストです。
モッツァレラチーズの保管の仕方
モッツァレラチーズは、そのフレッシュさが命。
モッツァレラチーズなどフレッシュチーズは、生ものです。
水牛や牛の乳に乳酸菌や酵素を加えて固め、水分を取ってできるもので、基本的に発酵はしません。
生ものなので保存を考えるよりは、食べ切れるサイズを購入することがオススメです。
開封後はすぐに食べ切ってしまうのが一番良い方法ですが、もし余ってしまった場合は、そのまま浮いてあった水の中に戻して冷蔵保存できます。
水をタッパーやボウルに移し、モッツァレラチーズを戻します。フタやラップをして冷蔵保存するのがベスト。
冷蔵庫で2~3日なら、十分美味しく食べることが可能です。
一方、水に浸かっていない少し黄色がかったモッツァレラチーズも売られていますよね?
これは塩分を加えて、水分を抜くなどの加工したプロセスチーズです。
もちろん生でも食べられますが、加熱して糸を引くようにトロリと伸びるのを楽しむことが多いですね。
モッツァレラチーズは冷凍保存できる?
モッツァレラチーズ、特売などで買ってきたのはいいけど、今すぐに使う予定がない場合がありますよね?
そんな時は、少し面倒ですが水切りした後のモッツァレラチーズをスライスして冷凍しておけば、好きな時に好きなだけ使えて便利です。
解凍してしまうと、ボソボソになってしまうので、解凍せずに加熱調理すれば美味しくいただけます。
冷蔵する際は、フリーザーバッグに重ならないように並べ、空気を抜くことがコツです。
冷蔵していても、早めにお召し上がりいただくことをオススメします。
モッツァレラチーズの美味しい食べ方
モッツァレラチーズはフレッシュのままいただくと、ジューシーでミルクの甘みがじゅわっと広がります。
クセがない繊細な味で、塩・胡椒、オリーブオイルと合わせるだけではなく、醤油やワサビ、柚子胡椒と合わせてお刺身のようにしても美味しいですね。
また熱を加えると繊維状にとても良く伸びるので、見た目にも美味しいです。
ピザやグラタンと合わせるのが一般的ですが、衣をつけてフライにしたり、しゃぶしゃぶにするのもオススメです。
冷凍後活用レシピ:モッツァレラチーズフライ
モッツァレラチーズを冷凍させて、扱いやすくしてから衣をつけて揚げます。
外はカリカリ、噛むととろーりのびる簡単おいしいレシピです。
材料
- モッツァレラチーズ 2㎝程度にスライス
- 薄力粉
- 溶き卵
- パン粉
- 揚げ油
作り方
- カットしたモッツァレラチーズをラップに広げ、3時間程度冷凍させます。
- 薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて、フライパンで揚げ焼きします。
油は1㎝程度あれば十分。パン粉がきつね色になればOKです。
塩コショウでシンプルに、ソースやケチャップでもいいですね。
冷凍したものを使うので、特売で大量に購入してしまったモッツァレラチーズの利用方法としては最高。
冷凍する前に、食べやすい大きさにカットすることをお忘れなく。
モッツァレラチーズのフライ、次にご紹介するスパークリングワインとの相性も抜群です。
ビールもいいですけどね(笑)
モッツァレラチーズに合うワインは?
モッツァレラチーズは繊細でプレーンな味わいなので、ワインはスッキリした白ワインやロゼと合わせるのがオススメです。
スパークリングも合いますよ。
モッツァレラに塩とオリーブオイルでシンプルにいただく場合は、辛口の白ワイン。
コショウを効かせたり、カプレーゼならロゼとも良く合います。
デザートとしてフルーツと合わせていただく場合は、爽やかな甘口白が合います。
甘口スパークリングのスプマンテなどがオススメです。
迷ったら、産地が同じイタリアワインを選ぶといいですね。
お値段お手頃価格でいただける、スパークリングワインのおすすめは、ピノ・シャルドネ・スプマンテ。
すっきりした味わい。さらに泡がきれいなので、シンプルなモッツアレラに彩を添えますね。
モッツァレラチーズの作り方
モッツァレラチーズの語源は、イタリア語の「mozzare:引きちぎる」に由来するともいわれています。
モッツァレラチーズを作る時、捏ねて引きちぎって形成していくんですね。
では、モッツァレラチーズの製法を簡単にご紹介します。
- ミルクを温め、乳酸菌を加えて軽く発酵させた後、凝乳酵素(レンネット)を加えて固めます。
- 固まったミルクをカット、水分(ホエー)と固形分に分けます。
- 固形分を濾して、塊にしていきます。
- 塊をカットして熱湯を加え、引き伸ばしながら練っていきます。
- 手で丸い形にしてちぎり、塩水に入れます。
この練る作業をすることで、モッツァレラチーズが繊維状になり、良く伸びるチーズへと変わっていきます。
モッツァレラチーズは自宅で作れる?
モッツァレラチーズは、実は自宅でも作れるんです。
リコッタのように簡単にはできませんが、材料さえそろえれば自宅でもモッツァレラチーズを手作りすることができますよ。
用意する材料
低温殺菌牛乳・食塩・クエン酸・レンネット
耐熱キッチン用グローブ・温度計・ざる
これだけ揃えれば、自宅でも手作りできるのですが、もっと簡単に材料を揃えるには、モッツァレラチーズの手作りキッドを利用するのもいいですね。
モッツァレラチーズ、いかがだったでしょうか?
気を付けるのは、なるべく早く食べるということだけ。
生食だけでなく色々な用途があるので、買ってしまってもすぐになくなりそうですね。
手作りは大変ですが、チーズがどのようにできるのか、一度試してみるのも面白いですよ。