チーズの保存、どうしてますか?
買ってきたナチュラルチーズ、食べきれないことも多いですよね。
余ったチーズを美味しいままの状態で保存するには、どうしたらいいのでしょうか?
うまく管理すれば、ご家庭の冷蔵庫でも熟成されて、さらに美味しいチーズに変化するって知ってましたか?
おいしいチーズの保存方法をご紹介します。
チーズを美味しく管理する方法
私の場合、買ってきたときにチーズをくるんでいるチーズセロファンに包んで保存しています。
チーズセロファンは、適度な通気性があるので、チーズの乾燥や蒸れを防いでくれます。
そのあとは、ジップロックなどで密封して冷蔵庫の他のにおいが移らないように管理します。
冷蔵庫内の野菜室で保存。
基本的には、通気性があるものがベストなのですが、冷蔵庫のにおいが移ってしまっては、せっかくのチーズが台無しになってしまいます。
真空状態にできる容器を使うのもオススメですよ。
白カビタイプのチーズの保存方法
カマンベールやブリーなど、表面にふわふわの白カビで覆われたチーズは、熟成によってチーズの味わいが変化しやすいのが特徴です。
スペインチーズでは、サン・ウゾー・デ・バスクなどがこのタイプです。
カットした断面をアルミホイルで保護し、包まれていたチーズセロファンで包みます。
チーズセロファンがない場合は、クッキングシートで代用できます。
包んだ後は、チーズが入っていたケースに戻して密閉容器に入れると完ぺきです。
適温は7~8度ですので、野菜室に入れて管理してくださいね。時々上下をひっくり返すと熟成が均一に進みますよ。
また、ジップロックなどの袋にレタスの葉など野菜を入れておくと、乾燥を防いでくれます。
チーズに苦みが出てしまった場合は、食べごろを過ぎています。
熟成するとトロトロ感がアップするんですが、熟成しても見た目にはわかりづらいので見極めが大切ですね。
青カビタイプのチーズの保存方法
ゴルゴンゾーラやロックフォールなど、青カビを利用して作られたブルーチーズは、独特の香りと舌を刺激する塩気と風味が特徴ですね。
スペインチーズでは、カブレラス、ガモネドなどがこのタイプです。
青カビタイプは光に弱く、ラップで包むと青カビが黄色がかった灰色に変色してしまいます。
空気に触れると、また美しい青緑色になるので食べられなくなったわけではありません。
包まれていたチーズセロファンで包むか、アルミホイルを利用してしっかりと包んでください。
水分が出てきたら、キッチンペーパーで優しくふき取ります。
チルド室での管理がベストです。
青カビは繁殖力がとても強いので、他の食品にカビが移らないように二重にして包むなど対策してくださいね。
他のチーズと一緒に袋に入れるのもNG。
においが強くなりすぎたり、熟成が進み過ぎた場合は、パスタソースやピザのトッピングに使うなど加熱して使ってみてください。
パスタソースは青カビチーズを生クリームでのばすだけ。極上の赤ワインのお供になりますよ。
フレッシュタイプのチーズの保存方法
マスカルポーネ、モッツアレラ、フェタなど熟成させないチーズで、クセがなくミルクの新鮮な味わいとソフトな食感が特徴です。
スペインではセブレイロなどがこのタイプですね。
マスカルポーネはクッキングシートで表面に蓋をして、空気に触れないように保存します。
モッツアレラの漬かっていた乳清を小さなタッパーなどに移し、断面を下にして乳清の中に浸けて管理します。
適温は5度なので、冷蔵室での管理がベストですね。
フレッシュタイプのチーズは水分が多く、日持ちがしません。
できるだけ早く食べ切るようにしてくださいね。新鮮さが命ですよ。
セミハードタイプのチーズの保存方法
ゴーダ、マリボーなどセミハードタイプは、熟成期間が1~8か月とちょっと短めで柔らかいのが特徴です。スペインで言うと、マオン、サン・シモン、イディアサバルなどがこのタイプにあたります。
サンドイッチやピザなどに手軽に使える、便利なチーズですね。
柔らかいものは、断面をアルミホイルで保護し、クッキングシートで包みます。さらにラップで包んで乾燥を防ぐようにしてください。
ジップロックなどで密閉して、野菜室で保存します。カビが生えないように管理してくださいね。
白カビ・青カビチーズのように繊細な管理は必要ありませんよ。
出荷時にすでに食べごろになっているので、購入してすぐに美味しくいただけます。
カビが出てしまったら、その部分を取り除けばOK。
乾燥が一方に偏らないように、切る断面を変えると乾燥具合が均一になります。
開封後の賞味期限は、1か月を目安に食べ切ってくださいね。
ハードタイプのチーズの保存方法
パルミジャーノレッジャーノ、コンテ、ペコリーノ・ローマーノなど硬くて、長期保存がきくのが特徴なのがハードタイプのチーズです。
長い熟成でうまみがぎゅーっと詰まっていて、濃厚なコクがあります。
スペインチーズは、ガローチャ、ケソ・マンチェゴ、ケソ・イベリコなどがこのタイプです。
管理はセミハードタイプとほぼ同様で大丈夫。
他の素材のにおいが移りやすいので、必ず密閉してください。
2,3日に一度袋を開けて、新鮮な空気と入れ替えてあげるとベストですよ。
また、表面に脂肪分が浮いてきたら、キッチンペーパーでふき取ってあげてください。
うまく熟成が進むと、さらに風味がよくなってきます。
固くなり過ぎたものは、チーズおろし器で削って料理に使ってくださいね。
ウォッシュタイプのチーズの保存方法
エポワス、モン・ドールなど熟成の過程で、ワインなどの地酒や塩水を使って何度も洗うのがこのタイプ。
外側は個性的で強烈なにおいがしますが、中はそれほどクセはなく深い味わいが特徴です。
その地方独特の個性を味わえるチーズです。
スペインではケソ・デ・ムルシアが有名ですね。
乾燥させないことが大切です。
まずは空気に触れないようにクッキングシートを表面に被せます。
木箱に入ったものは必ず木箱に戻し、その上からラップで覆います。さらにジップロックなど袋に入れ、その中にはレタスやしっかり絞ったキッチンペーパーを入れておきます。
野菜室で管理して、2,3日に1回は新しい空気と入れ替えてください。
このチーズを発行させている菌、「枯草菌」と呼ばれる菌の一種。実は、納豆を発酵させる菌も「枯草菌」なんですね。
もしかすると、慣れれば日本人にも馴染みやすい香りなのかもしれませんね。
ニオイがキツイタイプですが、春や夏に作られたチーズを選ぶと比較的においが少ないですよ。
保管中にニオイが気になり出したら、白ワインと合わせて加熱するチーズフォンデュなどにして食べるのがオススメです。
シェーブルタイプのチーズの保存方法
山羊のミルクから作られたチーズがシェーブルタイプのチーズです。
独特のクセと風味があり、若いものは酸味を感じます。熟成が進むと香りも強くなり、深いコクが出るのが特徴です。
スペインチーズでは、パルメロ、マホレロ、ガローチャなどがこのタイプです。
シェーブルタイプはぴったりと密封した状態よりも、多少乾燥気味のほうがいいチーズです。
カットした断面をアルミホイルで保護し、包装されていたチーズセロファンで包むのがベストです。
チーズセロファンがない場合は、クッキングシートを使って包みます。
ラップで包む場合にも、ふわっと空間を持たせながら包んでください。
山羊自体がちょっとニオイのキツイ生き物なんですね(笑)
そのため、ミルクにも独特の風味があります。
チーズ通にはたまらない風味なのですが、シェーブルタイプ未経験ならば、比較的若いチーズやヴァランセのような炭をまぶしたタイプのチーズだと、比較的においも少なく爽やかな味で食べやすいと思いますよ。
チーズの保存Q&A
チーズってラップで包んだらダメなの?
チーズは繊細な食べ物です。ラップで包むと、ラップの石油のにおいが移ってしまったり、水分の調節がうまくいかなかったりするんです。
どうしてもラップを使用する場合は、こまめに取り換えるなどして対応してください。
チーズは冷凍すると、組織が壊れてボソボソした状態になってしまいます。
冷凍する前に細かく摩り下ろしたり、スライスするなどしてジップロックで保存します。
解凍しないで加熱調理すれば、美味しくいただけますよ。
もう、食べちゃえ(笑)
適当な大きさにカットして、消毒した瓶でオリーブオイル漬けにするのも美味しいです。
好みのハーブを加えれば、また新しい味が発見できますよ。