スペインワインのブドウの品種辞典~あの美味しさはどこから来るの?

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ブドウ畑 スペインワインの種類

日本でも人気のスペインワイン。

お手頃価格でしっかりとした味わいが人気ですよね。スーパーやコンビニでも手に入る、手軽さも最高です。

スペインのワイン製造の歴史は3000年以上。ワインの生産量世界第3位、ブドウ耕作面積は世界第1位になりました。

スペインの自治体はその地形や風土も様々、個性豊かな産地で沢山の固有品種が栽培されてきました。

 

今回は、スペインワインのブドウの品種を固有種を中心にご紹介いたします。

  1. ワイン用のブドウってどういうもの?
    1. ワイン用のブドウと生食用のブドウって何が違うの?
  2. スペインワインのブドウの品種ってどんなものがあるの?
    1. スペイン赤ワイン用の黒ぶどう品種
      1. Tempranillo(テンプラニーリョ)
      2. Bobal(ボバル)
      3. Garnacha(ガルナチャ)
      4. Cariñena(カリニェナ)Mazuelo(マスエロ)
      5. Monastrell(モナストレル)
      6. Mencía(メンシア)
      7. Graciano(グラシアノ)
      8. Callet(カリェット)
      9. Brancellao(ブランセリャオ)
      10. Bruñal(ブルニャル)
      11. Espadiero(エスパディエロ)
      12. Ferrón(フェロン)
      13. Fogoneu(フォゴネウ)
      14. Forcayat(フォルカヤット)
      15. Jaén(ハエン)
      16. Juan gracía(ホアン・グラシア)
      17. Juan ibález(ホアン・イバレス)
      18. Listán negro(リスタン・ネグロ)
      19. Maturana(マトゥルナ)
      20. Manto negro(マント・ネグロ)
      21. Merenzao(メレンサオ)
      22. Negramoll(ネグラモール)
      23. Parraleta(パラレタ)
      24. Prieto picudo(プリエット・ピクード)
      25. Rufete(ルフェテ)
      26. Samsó(サムソ)
      27. Souson(ソウソン)
      28. Sumoll(スモル)
    2. スペイン白ワイン用のぶどう品種
      1. Airén(アイレン)
      2. Albariño(アルバリーニョ)
      3. Macabeo / Viura(マカベオ / ビウラ)
      4. Xarello(チャレッロ)
      5. Parellada(パレリャーダ)
      6. Pedro Ximénez(ペドロ・ヒメネス)
      7. Godello(ゴデーリョ)
      8. Treixadura(トレイシャドゥラ)
      9. Loureira(ロウレイラ)
      10. Moscatel(モスカテル)
      11. Verdejo(ベルデホ)
      12. Palomino(パロミノ)
      13. Garnacha Blanca(ガルナチャ・ブランカ)
      14. Verdejo(ベルデホ)
      15. Malvasia(マルバシア)

ワイン用のブドウってどういうもの?

世界中で栽培されているブドウの品種は、1万以上だと言われています。

その80%以上がワイン用のブドウなんですね。

スペイン固有種を知る前に、ちょっとワイン用ブドウとは何か見てみましょう。

ワイン用のブドウと生食用のブドウって何が違うの?

生食用のブドウとワイン用ブドウの違いをざっくりと。

皆さんが食べているブドウ、粒が大きくて皮が薄く種が小さかったり、種がない品種ばかりですよね?

一言で言うと、食べやすい。

 

では、ワイン用のブドウはと言うと、皮が厚く種が大きいのが特徴です。

生食用のブドウの方が美味しく、ワイン用のブドウは酸っぱくて渋いと思われがちですが、そうではありません。

ワインの原料として使えるようになるまで、じっくり育てられたブドウは甘くて凝縮された味なんです。

ワイン用のブドウの方が、実は糖度が高いんです。

 

糖分はアルコールへと変化するための重要な要素です。

しかし、糖度が高いだけでは美味しいワインはできません。

糖度上昇に反比例して、酸味が下がっていきます。その糖度と酸味のバランスを計ることが、ワイン造りの大切な技術なんですね。

スペインワインのブドウの品種ってどんなものがあるの?

スペインは全土において、ワインづくりに適した環境です。

スペイン北部は降雨量が多く、夏には涼しく冬は比較的温暖です。中部は夏と冬、寒暖の差が多く、南部は1年中温暖な地中海性気候です。

そのバラエティに富んだ気候風土で、様々な個性的なワインが生産されています。

スペイン赤ワイン用の黒ぶどう品種

スペインでは400種以上のブドウを栽培しています。

さらに、ワイン造りでは、固有品種の使用が最も多い国でもあるんです。

そんなスペインの赤ワイン用の黒ぶどう品種を、固有種中心に見ていきましょう。

Tempranillo(テンプラニーリョ)

黒ぶどうの栽培面積NO.1で、黒ぶどう栽培面積の40%以上を占めます。

リオハ・ナバーラ地方が原産で「早熟」という意味があります。

成熟が早く、9月の中頃から収穫が行われ、スペインの高級ワインのほとんどがこの品種を利用しています。

Tinto Fino・Tinta de Madrid・Tinto del país・Cencibel・Tinta de toroなど、地方によって違う名称で呼ばれています。

Bobal(ボバル)

黒ぶどうの栽培面積NO.2。バレンシア地方で主に栽培されています。

悪天候にも強く、たくさんの実をつけます。ロゼワインとして利用されています。

フルーティな若いワインができ、他の品種と混ぜて使うのに適しています。

Garnacha(ガルナチャ)

黒ぶどうの栽培面積NO.3でアラゴン地方が原産地です。

アラゴン・ナバラ・トレド地方で多く栽培されています。

悪天候や害虫にも強い特徴があります。ソフトな口当たりのタンニン、土壌の香りが特徴です。

若いワイン、ロゼ、他の品種と混ぜ合わせた熟成にも適しています。

Cariñena(カリニェナ)Mazuelo(マスエロ)

アラゴン地方が原産で、アラゴンとカタルーニャで多く栽培されています。

ウドンコ病に弱く、栽培面積はどんどん減っていきましたが、現在では再評価されています。

色が濃くタンニンと酸味が高く、香りがあまり強くないのが特徴です。

ガルナチャとブレンドされると、飲みやすくバランスの取れたワインになります。

Monastrell(モナストレル)

地中海沿岸で主に栽培され、成熟が遅いため完全に熟すのは難しい品種です。

バレンシアのモルベドレ村周辺が原産地とされています。

Mencía(メンシア)

中世、サンディアゴ・デ・コンポステラへ向かう巡礼者によって、スペインにもたらされたと言われています。

ガリシア地方で最も栽培されています。テンプラニーリョよりタンニンや酸味が少なく、フレッシュなワインができます。

ロゼや若い赤ワインを作るため、広く利用されています。

Graciano(グラシアノ)

リオハ・ナバラ地域で多く栽培されていたという記録があります。

若いものはタンニンがとても強いのですが、熟成中に最高の進化を遂げます。

収穫量が少なく、リオハとナバラ地区は保護区となっています。

Callet(カリェット)

バレアレス諸島マヨルカでほとんど生産されています。

南フランスやイタリア北部が原産とも言われていますが、現在では栽培されておらずマヨルカ原産が濃厚です。

Brancellao(ブランセリャオ)

ガリシア原産。 非常に少なく消えてしまう可能性があるため、DO Rías Baixasの認定品種として登録が考えられています。

Bruñal(ブルニャル)

カスティリャとレオン地域で栽培されていて、生産量はとても少ないです。

Espadiero(エスパディエロ)

ガリシア原産。DO Rías Baixasに指定されています。

Ferrón(フェロン)

DO Rías Baixas指定種。

Fogoneu(フォゴネウ)

バレアレス諸島のマヨルカ島原産。フェラニチで多く生産されています。

Forcayat(フォルカヤット)

DO Rías Baixas指定。個性的な香りのワインを生み出します。

Jaén(ハエン)

カナリア諸島、グラナダ、マドリッド、トレドで生産されています。

Juan gracía(ホアン・グラシア)

フェルモセリエが原産。

Juan ibález(ホアン・イバレス)

Presente en la DO Cariñenaに指定。他の品種の補助品種として使われています。

Listán negro(リスタン・ネグロ)

カナリア諸島のテネリフェ島北部や、群島で栽培されています。

Maturana(マトゥルナ)

リオハ原産種。低い酸性度と高い糖分が特徴です。

Manto negro(マント・ネグロ)

バレアレス諸島原産で、ワインに独特の芳香をもたらします。

Merenzao(メレンサオ)

DO Valdeorras指定。

Negramoll(ネグラモール)

DO Tacoronte-Acentejo指定。

カナリア諸島で栽培されています。軽くて柔らかく薫り高いワインが作られます。

Parraleta(パラレタ)

DO Somontano指定。軽くかおり高いワインが作られます。

Prieto picudo(プリエット・ピクード)

サモラとレオンで主に栽培されています。香りが高く個性的なワインが作られます。

Rufete(ルフェテ)

サラマンカで生産され、色が薄いのが特徴。

Samsó(サムソ)

DO Empordà指定品種。

Souson(ソウソン)

ガリシアで栽培されている希少品種です。Rías Baixas y Ribeiroで保護が考えられています。

Sumoll(スモル)

DO Conca de Barberá指定品種。バルセロナとバルベラで栽培されています。

スペイン白ワイン用のぶどう品種

白ぶどう

スペインで栽培されている白ワイン用のブドウ品種を、固有種中心にご紹介します。

Airén(アイレン)

白ブドウの栽培面積NO.1。房が大きく、特徴的な香りのブドウです。

シウダドレアル、トレド、クエンカ、ムルシア、マドリッド、アルバセテで栽培されています。

Albariño(アルバリーニョ)

ガリシア原産、もしくはサンディアゴ・デ・コンポステラの巡礼者によって運ばれたという説もあります。

小さくて甘く黄金色、香りが高く酸味も豊富です。爽やかな辛口白ワインになります。

Macabeo / Viura(マカベオ / ビウラ)

アラゴン原産という説と、中東原産という説があります。

カヴァの三大品種のひとつで、少しの渋みと芳醇な香りが特徴です。

カタルーニャではマカベオ(マカベウ)と呼ばれ、リオハ、ナバラ、アラゴンなどではビラウと呼ばれています。

フレッシュにも長期熟成にも耐える品種です。

Xarello(チャレッロ)

カタルーニャのアレーリャ原産、カヴァの三大品種のひとつです。

房は小さめで皮が厚く、糖度と酸味があります。病害に強いことも特徴です。

単一で白ワインを作るとボディがしっかりしたワインができます。単体としてカヴァも作られます。

Parellada(パレリャーダ)

カタルーニャ原産で、カヴァの三大品種のひとつ。

タラゴナ、バルセロナ、リェイダで多く生産されています。

カヴァには欠かせない品種ですが、単独で白ワインが作られるようになってきています

Pedro Ximénez(ペドロ・ヒメネス)

カナリア諸島原産と言われていて、カナリアからドイツへ渡り、スペイン本土へ伝わったとされてています。

この名前は、スペインへこの品種を持ち込んだ兵士の名前に由来します。

コルドバ、マラガ、ダホスで多く生産されています。

糖分が強いため、デザートワインやシェリーの原料として使われています。

Godello(ゴデーリョ)

ガリシア、レオンの境界が原産。

斜面を利用して栽培されたものは品質が高く、短期間に熟成します。

フローラルな香りと、口当たりがよいワインが作られます。

Treixadura(トレイシャドゥラ)

ガリシア原産で、ガリシアの固有種のなかでも最も香り高い品種のひとつです。

柑橘系、パイナップルの香りが特徴です。

Loureira(ロウレイラ)

ガリシア州原産で、香りが高くローレルのような独特の香りが特徴です。

Moscatel(モスカテル)

バレンシア、アリカンテ、マラガ、カナリア諸島で主栽培されています。

樹勢が強く、粒が大きく果皮は柔らか。シェリーとしても使われる品種です。

Verdejo(ベルデホ)

原産地ははっきりしていませんが、現在ではスペインで最高の白ぶどうの品種のひとつです。

バリャドリッド、セゴビア、アビラで主に生産され、Do Rueda指定品種です。

寒暖の差、干ばつにも対応し土地への適応能力が高く、ルエダのような寒暖の差が激しい地域で強い香りとこの品種らしさの果実味が際立ちます。

Palomino(パロミノ)

ヘレスワインの基本として多く使われています。

カディス、オレンセ、バリャドリッド、サモラ、ウエルバでの生産量が多く、熟成が早くて小粒、ビターアーモンドフレーバーが特徴です。

シェリーの個性を出すためには必須な品種になっています。

Garnacha Blanca(ガルナチャ・ブランカ)

タラゴナ、サラゴサ、テルエルの生産量が多く、スペイン全土に栽培地域が広がります。

アエリャ、タラゴナ、アルタなどで原産地指定されています。

高いアルコール度、果実味溢れるスパイシーなアロマが特徴です。

Verdejo(ベルデホ)

バリャドリッド原産で、DOルエダの指定品種。スペイン最高峰の白ぶどう品種です。

バリャドリッド、セゴビア、アビラで多く生産されています。

フレッシュな牧草や柑橘系なアロマで、柔らかなワインが作られます。長期熟成にも耐えられる素晴らしい品質です。

Malvasia(マルバシア)

ギリシャ原産でローマ時代に広がったと言われている品種です。

バレンシア、サモラ、カナリア諸島での生産量が多く、スペイン全土に広がっています。

糖度と香りが高く、個性的なワインを生み出します。甘さと少しの苦みのバランスが良いのが特徴です。

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