スペインはブドウの栽培面積が世界一。
ワイン製造も3000年以上の歴史があり、最近ではスペインワインの品質は全体的に底上げされている傾向にありますよね?
バルで気軽に味わえるワインとして、カジュアルに楽しめることで広く知られるようになりました。
しかし、スペインワインの魅力は、そんなカジュアルワインだけでは、もちろんありません。
スペインの著名なワイン生産地と言えばリオハ。スペイン最高の銘醸地と言われていますよね。
でも今回ご紹介するのは、現在そのライバルとなっているリベラ・デル・デュエロの名高いワインたちです。
スペインの突出した最高級ワインはリオハではなく、むしろリベラ・デル・デュエロで生産されていると言ってもいいと思います。
リベラ・デル・デュエロの最高峰ボデガで作られる、高級スペインワインは個性的。
この生産地で最も有名な高級ワインは、UNICO(ウニコ)ではないでしょうか。
高級スペインワインとしての知名度が高く、プレゼントとしても間違いなく喜ばれる一品です。
この他にも、リベラ・デル・デュエロの知名度を押し上げた名品揃い。
きっと、お気に入りの一本が見つかります。
高級スペインワインで特別な記念日を演出してください。
スペインワイン最高峰の呼び声高いワイナリー3選
リベラ・デル・デュエロはスペイン北部に位置し、フランスでもイタリアでも類を見ないほどの標高800mの高台。
土壌は石灰石で、鉄分が少なくとても肥沃な土地とは言えません。
夏は日中35℃近くまで上昇、夜は20℃近く下がることも珍しくない、寒暖の差が大きな地域です。
また冬は氷点下10度まで気温が下がり、スペインの中でも厳しい気候の地域に属します。
この寒暖の差がたくましい樹を育て、ブドウに凝縮感と酸味を与え、リベラ・デル・デュエロで生産されるワインに深みを与えます。
そんな良質なブドウの生産地として、リオハに匹敵するほどになったリベラ・デル・デュエロのワイナリーをご紹介いたします。
ベガ・シシリア
リベラ・デル・デュエロのトップワイナリーに君臨するのは、ベガ・シシリア。
そしてこの土地をスペイン高級ワインの産地として、牽引し続けているのこのワイナリーです。
スペイン最高の高級ワインとして知られるウニコは、ベガ・シシリアが生産しています。
リベラ・デル・デュエロのトップワイナリーの歴史は、1864年ボルドーから持ち帰った苗木と共に始まります。
ボルドーでワインを学び、持ち帰った3種の苗カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、マルベックを栽培、テンプラニーリョを加えて独自のブレンドを作り上げました。
そのブレンドワインがバルセロナ万博で金賞を獲得。一躍有名になった後、スペインの最高峰ワイナリーとしてその地位を不動のものとしていきます。
UNICO(ウニコ)は、ブドウの当たり年のみに生産され、大樽で1年、新樽の小樽で2年、古樽に移されて4年熟成されます。
ビンテージはさらなる熟成を経てリリースされる、スペインの最高級ワインのひとつです。
ベガ・シシリアでは、超一流の代名詞である自家製樽を使用しています。
250ヘクタールの土地から収穫されるぶどうの量は、1ヘクタール当たり平均20hlほどと大変少なく、さらに長い熟成期間を経て私たちの元へ届けられます。
希少であり、丹念に育て上げられたワインは、濃厚中の濃厚。果実の甘みが際立ち、長い長い余韻はスペイン最高峰、頂点という名にふさわしいものです。
ティント・ペスケラ
ティント・ペスケラの創業は1972年。
ワイナリーが位置するペスケラ・デ・デュエロの町の名前を取って名付けられました。
創業者のアレハンドロ・フェルナンデスは、テンプラニーリョ・マスターの異名でも世界中で知られているのですが、それは彼がこのブドウの特性を知り尽くし、愛し続け、リベラ・デル・デュエロのブドウ作りに革命を起こしたからに他なりません。
リベラ・デル・デュエロがDOに登録された1982年当時は、生産地としてのブランド力はまだ低く、ワイナリーも20軒ほどしかありませんでした。
ベガ・シシリア以外のワイナリーは質より量を重視して生産を行い、ブドウ栽培をやめる農家も多く厳しい状況でした。
そんな中、アレハンドロ・フェルナンデスが行ったのが、徹底した高品質を目指したワイン造り。
と言っても、創業当時は資金力不足のため、彼は副業をこなしながら畑を買い足していくという必死の努力を行いました。
リベラ・デル・デュエロがテンプラニーリョ栽培で最高の土地であると確信していた彼は、この土地の特性を活かし、ティント・ペスケラを完成させていったのです。
そのこだわりは、カベルネを一切使わないテンプラニーリョ100%。人工酵母も一切使わない自然酵母100%。
ロバート・パーカーが「スペインのペトリュス」と評したことをきっかけに、ペスケラは広く知られるようになります。
そして、リベラ・デル・デュエロも安価なワインの生産地ではなく、最高峰ワインの生産地としてのブランド力を上がて行ったのです。
ドミニオ・デ・ピングス
ドミニオ・デ・ピングスは、1995年にデンマーク人ピーター・シセックによって、リベラ・デル・デュエロに設立されたワイナリーです。
とても小さなワイナリーで、生産量も少なく、スペイン国内でも希少なワインとして扱われています。
わずか5ヘクタールの粘土と石の多い農場は、リベラ・デル・デュエロの中心部にあり、標高700~850mに位置し、樹齢80年以上の古樹が栽培されています。
徹底管理されたテンプラニーリョは、すべて手摘みで選別が行われ、農園では2000年からビオディナミを導入し、2003年には完全移行しています。
ピーター・シセックは農学者でありワインメーカー。
13歳の時に叔父と共にフランスで学び、デンマーク大学で農学者になりました。
彼は所有するブドウ畑と樹について、ブドウ畑はとても古いもので、収穫量は高くなく農薬を用いることもない。完ぺきな樹である。と語っています。
ロバート・パーカーは、彼のビンテージワインのいくつかに、最高100点を授与しています。
彼がテイスティングしたワインの中で、最も偉大で最も興奮するワインのひとつに数えられると述べています。
最初のビンテージは1996年で、この年は325本と非常に限られた生産量でした。この時の販売価格は200ドル。
1997年にワインを乗せたアメリカ向け輸送船が沈没。そのことで初ビンテージの希少性がさらに高まり、市場価格が495ドルにまで急騰したのは、ドミニオ・デ・ピングスの逸話の一つに数えられています。
テンプラニーリョ100%。フレンチオークの新樽で20か月熟成。
凝縮感があって、その長い余韻は世界中のワイン愛好家を虜にしています。
他にもエルモノス・サストレ、エミリオ・モロが高い評価を受け、リベラ・デル・デュエロをスペインの高級ワイン生産地としてのブランド力をさらに上げています。
リベラ・デル・デュエロのビンテージチャート
リベラ・デル・デュエロのビンテージチャートは、近年では1993年の出来が普通な以外、連続して特に良い出来です。
1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 |
VG | G | R | VG | E | E | G | VG | E | VG |
2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 |
E | VG | VG | E | VG | G | VG | VG | E | E |
2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | |||||
E | VG | G | VG | G |
参照:Food and Wines from Spain ビンテージチャート